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zoom RSS EOS社の3Dプリンター(レーザーシンタリング造形法)によるブリッジフレームのテストケース(その6)

<<   作成日時 : 2014/10/07 23:46   >>

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ドイツ・EOS社の3Dプリンター、EOSINT M270のレーザーシンタリング造形法によって、適合テストのためのブリッジフレームが作られ、私のもとに届けられました。
すでに、応力緩和処置が終わり、サポートピンも取り外されています。
Lラボでは、すでに約3年前からこの装置が使用されています。
EOS社のEOSINTはその後M280 となり、現在はM290に進化しているそうです。

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クラウンの内面を見ますと、レーザビームで溶融、積層された痕跡が、波状の凹凸の文様をつくり、まるでマイクロスコープで見る人の指紋のようです。
良質の埋没材を使用して貴金属を精密鋳造されている日本の歯科技工士の人たちが見られると、「この粗い面は何だ!」と、一瞬、やる気も失せられるかもしれません。
また、内面には小さな突起状の気泡のようなもの(→印)が所々に生じていますので、内面調整の際はマイクロスコープを使用しながら、まず、この突起を削り取る必要があります。

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波状の粗い面は、レーザビームが垂直に照射される面に多く見られるようで、クラウンの内側面や外側面は斜面になっているためか、より細かな面になっています(→印)。
それでも、精密鋳造の面に比べると表面性状は劣っています。
もちろん、切削加工された面とは格段の差がありますので、インプラントやアタッチメントなどの精密技工には向いていないようです。

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内面調整は鋳造後に行う方法とかわりありません。
朱肉などを使用しながら強く当たる部分をマークして削合し、支台歯型に適合させます。
クラウンのマージンや外側面はまだ修正していませんが、内面調整を行っただけで下図のような適合状態になります。
それぞれの支台歯型における唇頬側および口蓋側の適合状態です。

中切歯(右上1)

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犬歯 (右上3) 

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第一小臼歯(右上4)

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第一大臼歯 (右上6)

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それぞれの支台歯への適合状態はかなり良く、臨床ケースでは全く問題はないと思われます。
ところが、内面を調整した後に歯列模型に戻しましたところ、とんでもない状況になっていました。
ブリッジフレームの中央部あたりからねじれたような変形が生じていたのです(→印)。
特に、第一大臼歯の口蓋側が最も不適合な状態となっていました。
Lラボの品質検査部でしばしば不適合のケースを見ていたので予想はしていたのですが・・・。

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前歯部を指で押すと、第一大臼歯の不適合はさらに大きくなり、大きくピッチングします。

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このケースの作業を担当したCAD/CAM部門の張玲玲は、「ドイツ人技師から教わった通りにしているのに・・・」と不思議そうな顔をしていました。
Lラボでは、CAD/CAM部門における製作が終わると、完成した半加工物はすぐに次の部門へ回されます。
そのため、どの程度の不適合が生じているのか彼女自身も把握していなかったようです。









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