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zoom RSS 歯科医師に対する咬合再構築のための講義と実技指導

<<   作成日時 : 2015/06/06 22:31   >>

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私が勤務している北京のLラボには、クラウン・ブリッジ関係だけでも、毎日、約150〜200症例の模型や印象が送られてきます。
そのなかに、上下顎の残存歯を全て支台歯形成した下図のような症例を、ほとんど毎日のように目にします。
それらの症例は、パラフィンワックスを用いて咬合採得されたバイトがひとつ添付されているだけで、フェイス・ボー採得もされていません。
最近送られてきた症例のひとつは、上下顎の残存歯がすべて支台歯形成されているにもかかわらず、そのバイトすら添付されていませんでした。
しかも指示書には、“鼻下点からオトガイまでの距離は7.3cmですので、これを参考に咬合器に着けてください”とだけ書かれていました。
模型部の女性チームリーダーが「このような場合はどのようにして咬合器に装着すればいいのですか?」と困った表情で私に質問してきました。
上下顎の水平的な位置関係がわかるようなバイトがなければ下顎の装着はできないことを説明し、その歯科医師にその旨を電話するように指示しました。
中国にも技術や知識レベルが十分でなく、経験も少ない歯科医師がいて、お金を儲ける目的のために、残存歯を全て削合して行う咬合再構築の術式を施しているようです。

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Lラボの社長は北京市の4か所で歯科医院も経営している歯科医師です。
彼の話によりますと、中国で咬合に関心が出始めたのはここ1年くらいのことだそうです。
そのためか、最近はLラボの顧客でもある北京の著名な病院の歯科部門や歯科医院から、私に咬合再構築に関する講義や実技を歯科医師に対して行って欲しいとの依頼が来るようになりました。
歯科技工士が歯科医師に咬合再構築に関する講義や実技をするなどおかしな話で断ったのですが、かまわないとのことでしたので、歯科技工士の立場から歯科医師にお願いしたい咬合再構築の術式ということで話をさせてもらうことにしました。

歯科医院で歯科医師に対して、ギルバッハ・フェィス・ボーとカボ・フェイス・ボーを用いた採得方法を実技指導しているところです。

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咬合再構築の術式を行うとすればその内容は広範囲に及びます。
また、講義も実技も中国語で通訳なしで行わなければなりませんので、日本語で行うように微に入り細を穿つような説明はできません。
そのため、講義の場合はできるだけパワーポイントの画面数とその画面の中の画像を増やすようにしています。
1時間半の講義には約130画面(約300画像)を用いています。

歯科医院にしろラボにしろ、中国における研修はすべて業務時間内で行われます。
日本のように、業務時間外の夕方や休日に行われるということはありません。
そのため、歯科医院内における研修時間は約1時間半が限度となっているようです。
以下はその講義で使用したパワーポイントの画面の一部です。

咬合再構築の術式上、少なくとも必要と思われる1から18までの作業ステップです。
講義ではその中から歯科技工士にとって影響が大きい
9.ゴシックアーチ・トレーサーを用いた中心位の咬合採得法について
10.カンペル平面を基準平面としたフェイス・ボー採得方法について
11.咬合器へのトランスファーについて
の三つの作業ステップについて講義しました。

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咬合再構築のために、下図にあるような精度が劣る模型や咬合器を使ってはならないこと、また、特に中心位の精度が高い咬合器を選んで使用することを強調しています。

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ギルバッハのフェイス・ボーです。

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カンペル平面を基準平面としてフェイス・ボー採得をすること。
フランクフルト平面を基準平面としないことを奨励しています。

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ギルバッバのフェイス・ボー使用の際には、前方基準点の位置決めのために輪ゴムを参考にすることを提案しています。

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咬合器の咬合平面と上顎模型の咬合平面を一致させるために、ギルバッハのトランスファー・スタンドの高さを調節することを提案しています。

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カボ・フェイス・ボーの新タイプ(左)と旧タイプです。

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カボ・フェイス・ボーの場合、鼻下点にポインターを位置させることによって、自動的に、基準平面はカンペル平面となります。

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カボ・フェイス・ボーの場合、正確にフェイス・ボー・トランスファーされれば、正中線の位置や方向、前歯の長さや咬合平面の位置が自動的に咬合器上に設定されます。

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カンペル平面を基準平面としてフェイス・ボー・トランスファーした場合、模型の咬合平面は咬合器の咬合平面とほぼ一致させることができます。
つまり、模型の装着スペースを約45〜50mmに確保することができます。
もし、フランクフルト平面を基準平面として使用した場合は、模型の咬合平面が約15度傾斜するため、特に、インプラントを含む作業模型の場合には咬合器に装着できないという問題が生じます。

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インプラントを含む模型の場合、約45〜50mmの厚さが必要になります。

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Lラボで行ったインプラントを含んだ咬合再構築の臨床ケースです。
まず、インプラントのアバットメントをCAD/CAMをもちいてPMMA樹脂による試作をおこなった後、上部構造やクラウン部分をワックスアップし、口腔内に試適して形態をチェックしました。
その後、試作したアパットメントやワックスアップしたクラウンをダブルスキャンして、アバットメントとクラウンのすべてをCAD/CAMによってジルコニアに置き換えました。
但し、前歯と小臼歯についてはジルコニアクラウンの唇頬側面にポーセレンを築盛して仕上げられ、咬合再構築が完成しました。

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咬合再構築の症例であっても、CAD/CAMの導入によって短期間で、しかも廉価で、審美的かつ機能的な補綴物が提供できるような時代になってきたようです。
しかし、そのためには咬合に関する知識があり、機能的なワックスアップを行える歯科技工士の養成がぜひ必要だと私は考えています。





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