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zoom RSS 患者さんの技工物製作にも携わる学徒と実習生(前半)

<<   作成日時 : 2015/12/20 23:06   >>

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中国ラボの多くは、一般に、社歴が長くないせいか、技工物製作に携わっている人たちのほとんどは、10代、20代の若い人たちで占められています。
彼らは、員工(yuangong・従業員)、学徒(xuetu・見習い)、実習生(shixisheng・実習生)という3種の身分で区別されています。
下図はLラボにおけるクラウン・ブリッジ部門の石膏部です。
ここでは20名が携わっていますが、その中には、学徒が四人、実習生が二人含まれています。
Lラボの石膏部では、昼夜2交代制で、毎日、約200〜300症例の模型を製作し、咬合器への装着を行っています。

画像


学徒と呼ばれる人たちは、その多くが中学を卒業した後、15〜16才で見習いを始めた人たちです。
彼らはラボ内の経験者から技術を教わります。
1年間ほどの見習い期間が終わった後、員工に昇格できるようです。
ちなみに、学徒期間中の給与は月額1,000元(約1万9千円)で、3食付きの宿舎は無料となっています。

実習生は職業学校や医療専門大学、あるいは、医科大学本科などの口腔修復工芸科(歯科技工科)で専門教育を受けている学生たちです。
それぞれの学校で2年間の専門知識を学んだあと、10ヵ月間、ラボ内で技工技術を学びます。
その間、学校での教育は全く行われません。
ちなみに、実習期間中のLラボからの補助金は次のようになっています。
1ヵ月の見学期間が終了した後、前期3ヵ月は月額300元(約5,700円)、中期3ヵ月は月額600元(約11,400円)、後期3ヵ月は月額900元(約17,100円)だそうです。
もちろん、3食付きの宿舎は無料です。

中国における専門学校教育は理論面の講義が主で、技工実習はほとんど行われていません。
医療専門大学の実習生二人が3ヵ月前から私の助手をしていますが、彼女たちの話によりますと、学校ではクラスプの屈曲と歯形彫刻の実習を2〜3回行っただけで、総義歯の排列もクラウンのワックスアップの実習もなかったとのことです。

日本では、たとえ実習用模型上とはいえ、歯科技工士にとって必要な一通りの技術実習が行われていますが、中国では、技術実習に関しては学校では行われず、技術はラボ内実習で学ぶことが義務付けられているようです。

但し、中国の多くのラボでは分業制が採用されているために、ラボ内での教育方法ですと、往々にして、偏った知識や一部の技術しか身につかないということになりがちです。
また、どの部署に配属されたか、誰から学んだかによって技術に差が生じ、平等な教育が行われない可能性もあります。

例えば、学徒や実習生が教育期間中に石膏部へ配属された場合、教育期間終了後にラボでの勤務を希望したとしても、石膏部における技術しか学んでいませんので、やはり、石膏部に配属されることになります。
そのため、自分の希望する部署に配属されなかった場合や、あるいは少しでも高い収入が得られる他のラボの情報を得たりした場合は、教育期間終了と同時に、他のラボでの可能性を求めて去っていきます。
中国ではラボでの勤務を希望する若い人たちは多いのですが、より多い収入を求めて転職する人も多く、人の流動性が高い問題にどう対処するかが大きな課題となっています。

中国のラボにおいて技術改良や教育に取り組む場合は、次のことを考慮する必要があります。
1. 未熟な学徒や実習生が臨床技工物製作に携わること。
2. 人の流動性が高いこと。
3. 員工であっても臨床経験が少なく、他の部署との技術的な関連性がほとんど理解できていないこと。
4. 中国のラボは工場化しているため、人体に供される歯科医療物を製作しているという認識が極めて浅いこと。
などです。

後半では、上記の問題点に注意を払いながら、Lラボにおける石膏部の技術改良とシステム化をどのように進めたかについて述べたいと思います。




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