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zoom RSS 今年度の実習生に行われた採用試験内容と日本の歯科技工界

<<   作成日時 : 2017/07/20 01:13   >>

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中国では、歯科技工が医療部門に属するということで、歯科技工士になりたいという若い人たちは沢山います。
7月に入ると、今年も弊社Lラボには、実習の場を求めてすでに百名近くの学生が受験のために来ています。
一年間の実習期間を終えれば、卒業後にはそのラボでの就職が可能であるため、実習生として受け入れられるということは、卒業後の就職先が決まったようなものなのです。
弊社Lラボでは、学校からの推薦で来ている学生たちがほとんどですので、原則的に、受験結果の良し悪しにかかわらずに実習生として受け入れているようです。
それらの実習生の中から、今年は、川崎歯科技術研修センターで訓練する成績優秀な実習生25名を選考することになっています。

試験は実技試験、筆記試験、グループ面接試験によって行われます。
実技試験は石膏棒を用いた歯形彫刻あるいはワックスを用いた彫刻。
中国のほとんどの学校では技工実習はなされてなく、石膏棒を用いた歯形彫刻の経験さえありませんので、弊社Lラボの学校担当者が一日だけ彫刻の指導をした後、翌日に試験を行います。
手作業に対する感性や適応性を見るためのもので、彫刻の良し悪しはあまり重要としていません。
今年は一校だけ、ワックスを用いて全歯牙の彫刻実習を行ったという学校がありましたので、その学校の学生はワックスを用いた彫刻の試験も行いました。

弊社Lラボにおける石膏による歯形彫刻の実技試験を受けている大学専科の学生たちです。

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実技試験後の石膏とワックスによる歯形彫刻です。

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筆記試験は○×式や択一式ではなく、質問に対して筆記する形式となっています。
歯科技工に必要な基本的な内容ですが、学校で真面目に勉強してきたか否か、また、正確に理解しているか否かが明確に表れます。
また、歯科技工の仕事へ取り組む心構えや本気度なども推察することができます。
今年の最高は100点満点中90.5点、最低は3.0点でした。
下図は最高点の女子学生の3ページにわたる答案用紙です。

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最も重要視しているのが面接における試験です。
面接には弊社王社長と私、それに学校担当のケ先生の3人で行い、数名の学生によるグループ面接を行っています。
この面接によって、川崎歯科技術研修センターで一年間訓練をうけることができる実習生が選ばれます。

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日本では歯科技工専門学校への入学者数が年々少なくなり、今春の入学者が1,000 名を切り、927名になったと聞いています。
また、日本歯科新聞社メルマガによりますと、大正14年に開校された歴史ある愛歯技工専門学校が学生募集を停止し、平成31年3月をもって閉校されるとのことです。
世界の桑田と言われた桑田正博氏をはじめ歯科技工界に優秀な人材を多数輩出した名門校だけに惜しまれてなりません。
厚生労働省発表の「平成28年度歯科技工士国家試験学校別合格者状況」を見ますと、少子化の影響があるとはいえ、歯科技工専門学校52校中、国家試験の受験者数が10名に満たない学校が8校もあります。
卒業時の学生が10名に満たない学校が8校もあったということでしょう。
若者が魅力を感じなくなっている現況に対する打開の道が開けないままであれば、日本の歯科技工界の衰退は今後も続くことになるのかもしれません。
大きな政治の力が働かない限り、歯科技工士個人の力ではどうすることもできない根が深い問題でもありますので、私の友人がブログでつぶやいたように小さな本音を語りながら、大きな無力感に耐えるしかないようにも思います。


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日本では「小さな本音や小さな事実」を書けば、苦情のメールや電話や手紙がもれなく頂けます。それらはいずれ公開するために大切に保存しています(^_^)/~。
しかし多くの技工士はあの当時しか改革のチャンスはなかったことを知らないですね。私たちは、佐野を始め多くの技工士にねじ伏せられましたが、なんど思い返してもあのチャンスしかなかったと思います。今思えば、その当時の技工士はそれなりの生活をしていて改革されるのが嫌だったんでしょうね。改革は悪くなってからでは難しく、ある程度の時に手を打たなければならないと私たちは知っていましたね。あの人達に「ザマーミロ」と馬鹿にされないように私は日本で生き残ります。ご隠居が今でも世界で活躍されていることが励みになっておりますm(_ _)m。
としじい
2017/07/20 10:03
としじいさんへ
当時、20代、30代で歯科技工界の改革を熱っぽく語り、夢を追いかけていた若い仲間の人たちも、もし、今も日本の歯科技工界に残っておられれば、今は40代、50代となり家族のために寝る間も惜しんで、骨身を削る日々を過ごされているのかもしれません。
改革が受け入れられなかったのは、フォーラム4人組といわれた私たちに時代を動かす力がなかっただけのことでしょう。
でも、それぞれの立場で今なお、歯科技工界の第一線で生き続けている私たち4人の背中を若い人たちに見せ続けることも、改革を志した私たちの思いを伝えるひとつの方法なのかもしれません。
中島みゆきの歌詞にある“そんな時代もあったわねと、いつか話せる日が来るわ、あんな時代もあったねと、きっと笑って話せるわ、だから今日はくよくよしないで、今日の風に吹かれましょう”
そのような時代が日本の歯科技工界に来ることを異国の地で夢見ています。
王譯平
2017/07/20 23:21

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