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zoom RSS 医療専門大学卒業1年後に製作した教え子によるオールセラミックスの臨床例

<<   作成日時 : 2017/11/07 23:09   >>

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弊社Lラボの研修センター(川崎歯科技術研修センターおよび川崎工作室)では、実習生に対して、半年間ほどは研修用模型を用いた基礎技術の指導と訓練を行います。
その後は、実習生各自の能力を考慮しながら臨床ケースを与え、臨床に即応できる方法や技術を個別に指導しています。
日本では、歯科技工士の国家資格を得ていない学生が臨床ケースの製作に携わることは法律で禁じられていますが、中国では教育方法のひとつとして認められています。

私が知る限り中国では、歯冠補綴の約80〜90%がポーセレンによる修復物となっています。
金属焼付ポーセレンをはじめ、ジルコニアやガラスセラミックなどによる最新のオール・セラミックスの修復物です。
今回は、研修センターにおける私の教え子が製作したオール・セラミックスの臨症例をご紹介したいと思います。
医療専門大学を卒業後、その約1年後に製作した臨床例です。

製作者;蒋海麗 ♀ 23歳 2016年7月に大学専科卒業

作業模型の製作をはじめ、すべての作業を彼女ひとりで行い完成した臨床例です(但し、CAD/CAM作業は除く)。
専門大学における2年間の教育課程では、技工実習はおろか、石膏による歯型彫刻やワックス・アップなどの基礎実習さえなかったそうです。
以下の図は、彼女が携わった臨床例です。

図1.術前の口腔内情況です。
摩耗により咬合高径が低くなっていますが、この臼歯部の咬合状態を保ちながら、前歯部の修復をしたいとの患者様の依頼だそうです。
口を開けて笑うことに対し、非常に劣等感と恥じらいを持たれている方だそうです。

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図2. 弊社Lラボへ送られてきたシリコーン印象です。
石膏模型を製作しましたところ、上下顎ともマージン部が不明瞭のため、再度、印象採得をお願いしました。
担当医は30歳代後半から40歳代にかけての女性歯科医師の方です。

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図3. 再印象採得の際には、チェアーサイドに立ち合って先生のサボートをさせていただきました。
私が提案した新たな方法で印象採得をしていただいたものです。
歯肉縁下のマージン・ラインも正確に再現できました。

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図4.その際に行ったフェースボー採得です。
中国では調節性咬合器の普及率は高くなく、フェースボー採得の経験がない先生がほとんどです。

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図5.AMANN Girrbach社 の半調節性咬合器Artex CPに作業用模型をトランスファーしたところです。
中切歯の切端の位置を咬合器の咬合平面に一致させています。
これらの作業を含めて、研修センターにおける私の教え子である蒋海麗が、以下に述べる全ての技工作業を担当しました。

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図6.可撤式模型は着脱式の軟性ガムによって歯肉部を再現しています。

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図7,図8.口腔内試適用のワックス・クラウンです。
口腔内試適によって、歯の形態や排列状態、正中、咬合平面などを確認し、修正することができます。

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図9,図10..試適後、ワックス・クラウンのシリコーン・コアをもとに、CAD/CAMによるダブル・スキャン法に用いる内冠をワックス・アップします。

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図11.図12. CAD/CAMによるダブル・スキャン法で製作されたジルコニアによる内冠です。
前歯の舌側面及び第一小臼歯は対合歯とのスペースが十分にないため、オール・ジルコニア処置となっています。
また、支台歯が短くて維持力が十分でないため、2歯連結となっています。

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図13.唇側面にポーセレンを築盛し、完成した上下顎16歯のオール・セラミックス・クラウンです。

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図11.図12. 可撤式模型に軟性ガムを装着した状態での完成技工物です。

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図13.図14. 術前の口腔内と修復物装着1ヵ月後の口腔内の状況です。

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図13.患者様に笑顔が戻ってきたそうです。

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専門大学卒業後、わずか1年の臨床経験しかなく製作した臨床例ですので、問題点も多々ありますが、担当された歯科医師の先生と患者様から、とても満足しているとのお言葉をいただきました。
製作に携わった.蒋海麗にも、歯科技工士になって良かったという思いが、じわじわと湧き出てきているようです。

「専門学校を卒業した後、1年以内に歯科技工物を作る喜びを知った者は、歯科技工士を辞めることはしない」

これは、私の過去の経験や事例を通して感じてきたことです。
私の教え子たちにも、できるだけ良い環境に身を置かせ、チャレンジできる機会をつくってあげなければと思っているところです。




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