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zoom RSS 徳島大学名誉教授 坂東永一先生へのE-mail/咬合を再構成するうえでのチェック・リストについて

<<   作成日時 : 2018/03/25 23:02   >>

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この度、思いがけなく和田精密歯研株式会社顧問の三好博文先生から、坂東先生の最新の論文コピーとビデオをいただきありがとうございました。
できるだけ早くその感想をと三好先生から督促されていたのですが、遅くなり大変失礼いたしました。
私は1970年に28歳で九州の歯科技工学校を卒業いたしました。
石原門下生のお一人であられた坂東先生のお名前は、論文や専門書を通して1970年初頭より存じあげていました。
とくに、「臨床家のためのオクルージョン」は臨床家のために非常に分かり易く書かれていたため、当時のわたしにも理解できるところが多く、なくてはならない咬合に関する専門書のひとつでした。

現在、私は北京市の北京Lelejia医学技術有限公司という中国のラボで約4年間技術顧問として、医療専門大学の実習生やラボの若い歯科技工士などの技術指導を行っています。
日本を発って中国へ来たのは2008年ですが、その後の2年間は中国語を勉強するために長春市の東北師範大学へ留学しました。
留学期間が終わった後、中国のラボ4カ所に通算約8年間技術顧問として勤務し、今日にいたっているしだいです。

私は歯科技工士ですので患者さんとの接触は少なく、咬合器と石膏模型上における咬合しかわかりませんので、先生の論文に記載されている大学における先生方の実験やその数値につきましては、残念ながら十分に理解できませんでした。
申し訳ありません。

但し、坂東先生の論文からは知らなかった内容も多く、とても興味深く拝読させていただきました。
たとえば、
1. 痛覚が刺激されると、口が開く開口反射が起き、また、下顎のオトガイ部を叩打すると口を閉じようとする閉口反射がおきること(自分でもオトガイ部を叩打して試してみました)。
2. 主機能部位は上顎第一大臼歯機能咬頭内斜面とその対合する下顎第一大臼歯にあり、それは無意識に反射的に決められていること。
3. 咬合高径や前歯部の咬合接触は最大開口量を決定する要因の一つとなること。
4. 側方へ運動できない患者に側方での咬合接触を与えると側方へ運動できるようになること。
5. 咬合高径が低すぎると咬頭嵌合位でかみしめができなくなり、高すぎると安静空隙がなくなること。
6. 切歯路傾斜の目標値は顆路傾斜と等しくてよいこと。
7. 臼歯部で噛んだとき、通常は上顎の歯も下顎の歯も内側へ動き、歯列弓は狭くなり、その結果、隣接歯間関係は緊密になって食片圧入を防いでいること。そのため、上顎臼歯の頬側咬頭には強い咬合接触を与えてはいけないこと。

などですが、とくに興味を引かれたのは「望ましい咬合」のページの「咬合のチェックリスト」です。
24のチェック項目のうちの1〜8、12,16,17、24 は私たち歯科技工士も補綴物製作の上で、とくに注意しなければならない重要なポイントだと思いました。

ところで、中国では医科大学や医療専門大学など約400校に日本で言う歯科技工士科があります。
医科大学を除き、医療専門大学などの歯科技工士科は3年制で、そのうちの2年間は学校で理論面だけを学び、実習は一般に行われません。
技工技術については3年生になったときに約10ヵ月間、学校から離れてコマーシャル・ラボにおける実習によって学ぶことになっています。
現在勤務していますラボの北京Lelejia医学技術有限公司には毎年約100名の実習生が来ます。
そのうちの約20名を社内試験で選抜して、ラボに併設されている川ア歯科技術研修センターで指導しています。

実習生たちは、歯形彫刻やワックスアップの経験すらない学生達ばかりですので、私のところでは約6か月間ワックスアップによる歯の形態の指導と咬合に関する指導を行っています。
ワックスアップについては、天然歯の形態見本を参考にした実習から始めて、平均値咬合器に装着した上下顎を、ドロップ・オン・テクニックによって同時にワックスアップする咬合再構成の実習まで、その技術と理論を教えています。
実習生たちは、6か月の間、通算で一人あたり約300個から400個の歯のワックスアップをすることになります。

その後、残り約4ヵ月の実習期間中にメタルボンドやオールセラミックスのための製作法を教えます。
中国では、補綴物についての保険制度はなく、クラウンブリッジの約80〜90%はポーセレンによる修復物です。
日本で多数を占める硬質レジンの修復物やメタルインレーなどは皆無といってよい状態です。
最近、中国でも、咬合を考慮した修復物への要求が高まってきていますので、基礎訓練のワックスアップの作業では、特に、咬合についての教育に力をいれています。

メールに添付しましたワックスアップの写真は、一か月ほど前に、実習生にその製作ステップを見せながら実技指導した際に、私自身が実習生の目の前で製作した参考見本の一つです。

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実習生はこのケースを製作完成した後、6カ月間にわたるワックスアップによる基礎訓練を修了することになります。


坂東先生の論文にあります咬合のチェック・リストを拝見して大変感銘をうけましたので、私も先生の方法にならって、「咬合を再構成するうえでのチェック・リスト」をつくってみました(リストをクリックしていただくと拡大できます)。
これは、実習生や若い歯科技工士に対し、上下顎を同時にワックスアップする咬合再構成のワックスアップ実習の際に教えている咬合についての内容です。
お暇な折にでもお目通しいただき、このリストの問題点や必要な追加点などをご指摘、ご指導いただければ幸いに存じます。

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