三好博文氏への返信メール/歯科技工界を見放す若い人たちについて

ご丁寧な長文のメールいただきありがとうございました。
先生の教え子で聴覚に障害を持たれている大蔵くんも今は40歳半ばを過ぎ、家族のために身を削り奮闘されているのではないかと推察しています。
一度、歯科技工の仕事から外れて他業種の仕事をすると、地道な努力が必要で収入も多くはない歯科技工の仕事へ戻ることは難しいでしょう。
どんな仕事であっても、健康で幸せな人生を送られているのであれば、それが何よりも良いことではないかと思います。

ところで、中国の北京市では新規ラボの開設が非常に難しく、また、現在営業中のラボに対しても北京市や国の役所による検査がしばしば入っています。
ラボの環境が悪かったり、開設設備規定に沿っていなかったり、あるいは、期限切れの材料を使ったりしているラボで改善の兆しが見えないラボは容赦なく長期休業や閉鎖に追い込まれています。
昨年は北京市の約100~200人規模のラボが3カ所、営業許可を取消されて廃業になったとのことです。

ラボの技術に関しても、現在の中国のラボ技術は、日本において海外委託問題で騒がれた2006~2010年頃のレベルとは違い、相当レベルが上がっています。
私の勤務経験がある東莞市のDラボや現在勤務している北京LラボのCAD/CAM技術は、おそらく日本の多くのラボより遥かに上を行っているのではないかと思います。
また、私が知る範囲では、クラウン・ブリッジに関して、日本の医療保険レベルの技工は全くと言っていいほどありません。
例えば、メタルインレーあるいは咬合面や舌側面が金属の硬質レジン前装冠、それに、最近保険導入されたコンポジット樹脂によるクラウンなどです。
但し、PMMA樹脂はテンポラリーのクラウン・ブリッジとして使われてはいますが。
クラウン・ブリッジに関しては、フルベークのメタルボンドあるいはジルコニアやe-maxをベースにしたオールセラミックスによるものがほぼ全てを占めています。

仮に、日本において医療保険でできる補綴物も、中国のようにすべて自費ということになれば、日本国民の意識も変わって良い処置や良い補綴物を求めるようになり、歯科技工や歯科技工士への評価も変わってくるかもしれませんね。
また、CAD/CAMの広い応用によって、日本国民に対しても、より安く、より良い品質の補綴物を供給できるようになるかもしれません。
ただし、それによってふるい落とされる歯科医院やラボがでてくるとは思いますが。
日本の現状のままでは若い歯科技工士の将来性は期待できず、歯科技工界を見放す若い人たちは今後もなお続き、少なくなることはないでしょう。




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